はじめまして。オックスフォード近郊で住宅購入を進めている、日本出身のソフトウェア分野の実務者です。
このブログは、体験記ではありません。
イギリスの住宅購入を、公開データで検証可能な判断に落とし込む方法を記録しています。
なぜ「データで」なのか
イギリスの不動産市場には、日本にはない武器があります。
すべての成約価格がHM Land Registryで住所付きで公開されていること。全物件にEPC(省エネ性能証明書)があり、改修費の概算まで書いてあること。印紙税(SDLT)の税率が完全に公開されていること。
つまりイギリスでは、「隣の家がいくらで売れたか」「この家を断熱改修すると何ポンドかかるか」「£1多く払うと税金がいくら跳ねるか」を、素人でも一次情報で検算できるのです。
にもかかわらず、日本語で読めるUK不動産の情報は、業者のセールス記事か、個人の日記のどちらかに偏っています。その中間、自分の金で家を買う個人が、公開データで適正価格を出し、税制の崖を避け、改修の投資対効果を計算するという領域が空白でした。
そこを埋めるために、このブログを書いています。
これまでにやったこと
- 15件以上の物件を実際に内覧し、却下理由を「直せる問題/直せない問題」で分類
- 同じ通りの成約事例から指値の上限を数値で確定する手法を確立
- ファーストタイムバイヤー特例の£500,000の崖(£1でも超えると£6,000負担が増える)を検証
- EPC Eの物件について、改修費込みの実効取得コストで買い/見送りを判断
- 仮に将来的に、賃貸に出した場合の利回りとレバレッジ後キャッシュフローを概算
- 通勤手段(バス/電車)を所要時間の予測可能性で定量比較し、居住エリアを決定
そして、数字がすべて「買い」を示した物件を、採光という直せない問題を理由に見送りました。その判断の記録も含めて、包み隠さず書いています。
記事の作法:出典を3分類で明示します
このブログの数値には、原則としてラベルを付けます。
- 【一次情報】 発行主体の直接資料(Land Registry、EPC証明書、HMRC、政府統計)
- 【二次情報】 第三者の解釈・集計(報道、ポータルサイトの推定、調査会社レポート)
- 【推論】 筆者自身の計算・推定(単価×面積、シナリオ試算、レンジ推定)
推測を事実として書かない。これが本ブログの唯一の約束です。実際、Zooplaの推定価格が実際より広い面積を前提にしていた疑いを見つけたときも、そのまま記事にしました。自分に都合の良い数字を採用しないために、この作法を課しています。
筆者について
日本と海外の両方で、データ分析やソフトウェアに携わってきました。現在はオックスフォードで、働きながら大学院で学んでいます。不動産業者でも、不動産の専門家でもありません。自分と家族が住む家を、数十万ポンド払って買おうとしている、ただの買い手です。
だからこそ、業者では書けないこと(見送った理由、オファーで負けた話、自分の分析が間違っていた箇所)を書けます。
免責
本ブログは筆者個人の体験と公開情報に基づく記録であり、不動産取引・税務・投資の助言ではありません。制度や税率は変更されます。
実際の購入判断は、コンベヤンサー・RICS調査士・税理士等の専門家にご相談のうえ、自己責任で行ってください。